【推し活お金事情】みんなどれくらい使ってるの?

2023.11.30
【推し活お金事情】みんなどれくらい使ってるの?

【推し活お金事情】みんなどれくらい使ってるの?

前回の記事では、推し活とはどんな活動をするのか、推し活がもたらすプラスの効果など、推し活についてよくわからないという方に向けて基本的なお話をしました。

今回は、前回お話しできなかった推し活とよく似た言葉について解説した上で、推し活に係る消費動向や意識など、グッズやキャラクター製品などの企画・制作の参考にもなるマーケティング視点からの推し活の動向などを解説していきます。

推し活、オタ活、担当、追っかけ。。。それぞれどう違うの?

推し活に関連する用語には、推し活していない人からはよく意味が分からないものが多いですよね。

ここで推し活や推しと意味がよく似た用語について確認しておきましょう。

推し活とオタ活の違いは?

「推し活」と「オタ活」の二つの言葉に大きな意味の違いはありませんが、推し活の「推し」が応援する対象を指すのに対して、オタ活の「オタ」は応援する側を指すという意味の違いがあります。

ただし、推し活はアイドルグループやアーティストなど、実在する人物を対象にする活動で、オタ活はアニメやゲームのキャラクターなど、実在しない2次元の人物を対象にしているといった使い分けをしている人もいます。

元々は、AKB48の熱心なファン達(オタク)が、まるで仕事のように応援活動に入れ込む一連の活動を「推し事」と呼ぶようになり、推し活という言葉も一般化していきました。

「推し」と「担当」の違い

「推し」と「担当」も多少意味は異なります。

「○○〇推し」(○○〇はグループやユニット名)「○○担当」(○○はメンバーの名前)といった使い方をするケースが多いです。

「○○担」と省略しているケースもよく耳にしますね。

「推し」は応援しているグループやユニットのなかで、特に推している個人を対象に「担当」を使います。

追っかけと推し活は違うの?

推し活という言葉が一般化してきたのは、最近の話ではありますが、芸能人やスポーツ選手を熱狂的に応援することを意味する「追っかけ」という言葉は昔からありました。

推し活と追っかけの具体的な活動の違いには、インターネットが一般化した時代であったかどうかが大きく関係しています。

追っかけはアイドルや芸能人などをはじめとする有名人をテレビやラジオ局の通用口付近で出てくるところを見物しようとひたすら待ち続ける「出待ち」をしたり、イベントに参加したりといったように、その対象の行く先についてまわるといった意味もあり、基本的にはリアルな場での行動です。

一方、推し活はアイドルやアーティスト、スポーツ選手など実在する人物だけでなく、実在しないバーチャルな世界の登場人物も対象となります。

推し活にどれくらいお金を使ってる?

推し活はハマればハマるほどお金がかかるものですが、他の人たちはどれくらいお金をかけているのか気になるところですね。

特に、推し活ユーザーをビジネスターゲットと考える場合には、推し活に関する消費傾向は気になるところでしょう。

R&C株式会社による「推し活をしている人1,000人へのアンケート調査」によれば、推し活にかけるお金は、月平均で16,605円との調査結果がでています。

出典:推し活に使うお金は月平均16,605円!1,000人の推し活事情を調査

ただし、推し活に費やすことのできる金銭事情は、世代別で大きく変わってきます。

まずは世代別の推し活に関するおおまかな消費傾向を確認してみましょう。

中学生、高校生は月平均で8,269円

18歳以下の中高生世代が推し活に費やす金額は、月平均8,269円となっています。

行動範囲も自由になる時間も限られる中高生としては、決して低い金額ではないと言えます。

限られた条件の中で、どうやってお金を捻出しているのか気になるところですが、GMOメディア株式会社の調査によれば、毎月のお小遣いやお年玉、誕生日やクリスマスプレゼントとして買ってもらうといったように、保護者などからの援助がほとんどのようです。

出典:中高生を対象にアンケート調査を実施 GMOメディア株式会社

18歳~24歳(高校生除く)では平均で20,894円

高校生を除いた18歳~24歳では、平均で月額20,894円となっており、月額で5万円を超える人も少なくないようです。

アルバイトや正社員として働く人も増える年齢層であり、中高生と違って自分の責任で自由に行動できるようになったことで、遠征してコンサートやイベント、フェスに参加するなども可能になり、推し活にもかなりの金額を投じているようです。

25歳~34歳では平均で22,759円

25歳~34歳においては、月平均で22,759円と18歳~24歳と大きく変わらない結果となっています。

この年齢層では、社会人として自立した生活を営んでいることもあってか、自分の収入と支出のバランスも考慮に入れつつ、将来を見据えた堅実な消費行動をとっていると考えられます。

総じて堅実な意識でも、ここぞという時には思い切った消費行動も

推し活ではグッズやDVD、ブルーレイディスクなどの映像コンテンツ購入、イベントやコンサート参加などが特にお金がかかるものとなりますが、お金の使い方にどのような考えを持っているのでしょうか?

当記事で参照した調査結果によれば、「予算の範囲内で楽しむことにしている」という方が最も多く、グッズなども実用的なものだけ買うようにしていたり、長く続けるためにも無理はしないといったように、意外に堅実な考え方を持っている方が多いようです。

ただし、今しか手に入らない限定グッズや、数量限定の特典付きなど限定性を感じるものについては、「あとで後悔したくないし」という気持ちも働くためか、思い切った消費行動をとる傾向が見られます。

推し活と言えども、お金の使い道は厳選しているということがわかります。

トレンドの変化を捉えた企画・制作がポイント

アイドルグループのAKB48が全盛期だったころのオタ活では、推しに関連するグッズやアイテムは、どんなものでも売れるという傾向もあったようです。

しかし、コロナ渦を経て、推し活にハマる人が増える一方で、いわゆる沼にはまるかのように、推し活にハマればハマるほど使う金額もどんどん増えていき、いわば「推し疲れ」とでもいったような状況にある人も増えています。

そうした状況が続いているためか、最近ではどの世代でも、推し活に自分のライフスタイルや価値観を意識した選択行動を取っている傾向が見られます。

推しに関連するからといって無条件にグッズ等を購入するのではなく、自分の生活スタイルにマッチするか、普段使いに取り入れやすいか、購入して自分自身が本当に満たされるのかなど、多方面から冷静に評価しています。

商品やサービスの供給側としても、どんなものでも売れるわけではなく、ユーザーに厳しく選別されるということは常に意識しておく必要があるでしょう。

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