ミレニアル世代とは?~Z世代との違いや効果的なマーケティング戦略も解説~
マーケティング戦略でよく耳にするミレニアル世代。Z世代よりも1つ前の世代を指す言葉で、1980年代前半から1990年代半ばまでに生まれた人が該当します。
2024年現在、彼らはおおよそ29歳から44歳までの年齢層にあたり、会社でも中堅としての重要なポジションにつくようになります。
また、結婚して家庭を持つ人も増えるこの世代は、今後マーケティング戦略を練るうえでますます重要視されていくでしょう。
そこで今回は、現代日本の消費者のボリュームゾーンであるミレニアル世代について、その特徴や傾向、Z世代との違いについてまとめました。
ミレニアル世代に向けたマーケティング戦略についても紹介しているので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
ミレニアル世代とは
ミレニアル世代とは、もともとはアメリカの心理学者であるJean Twengeが定義したMillennials(ミレニアルズ)から来ており、英語で千年紀を意味するMillennium(ミレニアム)が由来です。
ちょうど新世紀を迎えた2000年代に成人した世代であることから、この名称で呼ばれるようになりました。
この世代は、デジタル技術が急速に発展する中で育ち、インターネットやスマートフォンの普及による影響を大きく受けてきた世代です。
また、日本ではバブル崩壊後の厳しい経済環境で育ったことや「ゆとり世代」とも重なることから、独自の価値観を持っていると言えます。
ミレニアル世代の特徴
インターネットをはじめとするデジタル技術の発展とともに育ったミレニアル世代。
彼らの特徴を5つご紹介します。
デジタルネイティブ
ミレニアル世代は、インターネットの急速な普及とともに育った初めての世代です。
学生のころからインターネットが身近にあり、「知りたいことはネットで調べる」が当たり前の時代に生きてきました。
そのため、膨大なネットの情報から必要な情報を拾って精査する力が自然と身に付いています。
また、ミレニアル世代が10代から20代を過ごした2000年代中ごろは、「Web2.0」と呼ばれるインターネットの転換期でもあります。
2000年代初期までは、まだ多くのユーザーが単なる情報の受け手としてインターネットを利用していました。
ところが2000年代半ばから、ブログ、掲示板、SNSといったユーザーが自由に情報を発信できるサービスが続々登場。
誰もが情報の受け手のみならず、発信者にもなれる時代になりました。
そんな時代に青春を過ごしたミレニアル世代は、現在もインターネットでの情報収集や発信、交流を重視します。
また、購買においてもインターネットの口コミや、SNSを通じて知り合った共通の趣味を持つ仲間などの意見を参考にする傾向があります。
所有より共有を重視
ミレニアル世代は、物を所有することよりも、体験やサービスを共有することに価値を見出す人が多いというのも特徴です。
バブル崩壊後の厳しい経済環境で育ってきたミレニアル世代は、コストパフォーマンスを重視し、必要なときに必要なものをシェアできればいいという価値観を持っています。
また、技術の発展により生活の利便性が増したことで、物を所有する必要がなくなったというのも要因のひとつです。
例えば、本やDVDなどをわざわざ所有しなくても、インターネットで好きなときに好きな期間だけ閲覧できるレンタルサービスも充実しています。
このように「物欲がない世代」と評されるミレニアル世代ですが、一方で誰かと特別な経験や思い出を共有できるサービスやイベントに関しては強い関心を示しています。
多様性と個性を尊重
ミレニアル世代は、多様性と個性を尊重する世代でもあります。
SNSを通じてさまざまなバックグラウンドを持つ人々と繋がってきたこともあり、自分とは異なる意見や価値観を受け入れる姿勢が強いのです。
また、自らの経験や考えを発信し、他者に共感してもらうことで仲間意識を強めてきたこの世代は「他人に受け入れられる」ことを重視します。
ひとりひとりの個性を尊重し、多様性を受け入れることは、ミレニアル世代の人間関係の構築に深く根付いているのです。
ワークライフバランス重視
仕事とプライベートの両立を重視するというのもミレニアル世代の特徴です。
多様性や自分らしさを尊重するこの世代では、がむしゃらに仕事に打ち込むよりも、家族や趣味の時間を大切にしたいと考える人が多いためです。
また、従来の終身雇用や年功序列に縛られず、テレワークや時短勤務、フリーランスといった様々な働き方も求められています。
このようなミレニアル世代の働き方に対する価値観は、これからの職場環境に影響を与えていくでしょう。
環境問題や社会問題への関心が高い
ミレニアル世代は環境問題や社会的な課題への関心が高いのも特徴です。
物心つくころから地球温暖化や環境汚染、貧困問題などが世界の課題として問題視されているのを学んできたためです。
高いネットリテラシーを持つこの世代は、メディアが提供する情報だけでなく、インターネットを通じて得たあらゆる情報から問題解決への糸口を探します。
企業やブランドの社会的責任にも敏感で、環境や社会へ配慮した商品に強く惹かれる傾向があります。
ミレニアル世代とZ世代の違い
ミレニアル世代の比較対象として、Z世代がよく挙げられています。
Z世代とは、ミレニアル世代よりも1つ後の世代で、一般的に1997年から2012年に生まれた人たちのことを指す言葉です。
ミレニアル世代とZ世代には共通点もありますが、相違点もあります。
デジタルパイオニアの時代に生まれた
Z世代もミレニアル世代も、インターネットの発展と共に成長してきたデジタルパイオニアであることに変わりはありません。
しかし、ミレニアル世代がインターネットが世に普及され始めたばかりの環境で育ったのに対し、Z世代は既にインターネットや携帯電話が普通にある時代に生まれています。
そのため、Z世代はミレニアル世代よりさらに自然にデジタル技術に適応し、情報収集やコミュニケーションもデジタル環境に依存する傾向があります。
Z世代よりもブランド重視
ミレニアル世代は、好きなブランドに対して強いこだわりを持っています。
特に「そのブランドがどれだけ信頼できるのか」といった企業としてのイメージやステータスは、ミレニアル世代にとって重要なポイントです。
また、質の悪い商品を購入して後悔しないためにも、身近な人やインターネットから情報を集め、購入を慎重に検討する傾向があります。
一方Z世代は、ブランドよりも新しさやサービスの利便性を重視します。即時性や利便性を優先するため、オンラインショッピングにも抵抗がありません。
また、次から次へと変わるトレンドに順応するため、インフルエンサーや有名人の意見が購買決定に大きく影響します。
Z世代は実用性重視だがミレニアル世代は体験重視
前述しましたようにミレニアル世代は、体験に重きを置く傾向があります。
旅行や食事、エンターテインメントなどの「コト消費」に積極的で、思い出や経験を大切にします。
一方で、Z世代は実用性を重視し、便利さや効率性を求めます。
この世代は、経済的な不安定さを背景に、迅速な結果や利便性を求める傾向が強いです。
したがって、消費行動においても、価格や機能を優先する傾向があります。
ミレニアル世代への効果的なマーケティング戦略
最後にミレニアル世代へ向けた効果的なマーケティング戦略をご紹介します。
もちろんすべてのミレニアル世代に当てはまるわけではありませんが、売り出したい商品やサービスのPR方法を考える際の参考になれば幸いです。
SNSなどネットでの情報発信
ミレニアル世代は、SNSを使って自らの意見や体験をシェアすることが得意です。そして、シェアすることで生まれる他者とのつながりを大切にします。
この世代に対する効果的なマーケティング戦略は、InstagramやXなどのプラットフォームを活用し、魅力的なビジュアルコンテンツやストーリー形式の情報を発信することです。
特にリアルな体験や信頼できるインフルエンサーの声を通じて情報を発信することで、彼らの共感を得やすくなります。
また、参加型のキャンペーンやユーザーの意見を反映したコンテンツを提供することもおすすめです。
企画に参加しているという一体感を持ってもらうことで、ユーザーとより深い関係を築くことができるでしょう。
体験・経験価値を重視
物を所有することよりも「体験」を重視するミレニアル世代は、旅行やイベントなど、思い出に残る経験にお金を使う傾向があります。
そのため、売り出したい商品やサービスが「彼らにどのような体験を提供できるのか」を強調することがとても大切です。
たとえば、商品購入時に得られる特別な体験や、コミュニティの一員としての参加感をアピールすることで彼らの心をつかむことができるでしょう。
また、消費者同士のつながりを促進するイベントやワークショップを開催することも、彼らの関心を引く要素となります。
体験を通じて得られる感情や記憶は、長期的に商品やブランドに愛着を持ってもらうための重要なポイントになり得ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今まさに消費のボリュームゾーンにあるミレニアル世代ですが、インターネットを自由自在に使いこなし、多様な価値観を持ちながらも、その価値観を絶対に曲げないというほどの頑固さはなく、他者の価値観も柔軟に受け入れる傾向にあるのがミレニアル世代の特徴と言えます。
今後のマーケティング戦略を大きく左右する存在になりそうですね。