
推し活ブームのその先はどうなる?~ファンコミュニティを熱狂させる体験型グッズの企画戦略のヒント~
お気に入りのアイドルやアニメキャラクター、ゲームの登場人物など、「推し」と呼ばれる存在に夢中になる「推し活」。
いまや年齢や性別を問わず、たくさんの人がそれぞれのスタイルで楽しんでいます。
SNSでの発信やグッズの収集、ライブやイベントへの参加など、一部の熱狂的なファンだけの世界と思われていたこの文化も、いまではすっかり日常の一部になりました。
そんな中、ここ数年で注目されているのが、ただモノを買うだけではなく、推しとつながっているような体験を求める動きです。
ファンが心からワクワクし、誰かと共有したくなるような体験を生む仕掛けが、次々と登場しています。
この記事では、推し活のこれからをテーマに、モノと体験が融合した新しい形のグッズの最新トレンドや、ファンとともに作るグッズの企画アイデア、いま注目すべきポイントを紹介します。
あなたの推し活が、もっと楽しく、もっと深くなるそんな情報もたっぷりとご紹介していきます。
「持ってる」だけじゃ物足りない?ファンが体験を求める理由

推し活が広がる中で、グッズそのものよりも、推しと一緒に過ごしているような感覚や特別な空間を共有することに、より強く価値を感じるファンが増えています。
かつては、アクリルスタンドや缶バッジといった、推しのグッズを集めることが楽しみの中心でした。
でも今では、ファン自身が推し活の世界に参加することが、大きな意味を持つようになっているのです。
この背景にあるのが、消費スタイルの変化。
たとえば、SNSでお気に入りの写真をシェアしたり、ファン同士で感想を語り合ったりすることで、ただ所有しているだけだったグッズが、共感やつながりのきっかけに変わっています。
自分の好きが誰かと重なったときのうれしさ。
その気持ちを分かち合える体験こそが、今の推し活の魅力といえるのかもしれません。
さらに、推しの世界観にどっぷりと浸れるような仕掛けがあると、心の満足度はぐっと高まります。
たとえば、ライブ会場限定の演出や、映像と連動した特典付きグッズなどは、記憶に残る思い出になります。
まさに、推しと一緒に体験する感覚。
だからこそ、多くのファンが体験型の推し活に惹かれているのです。
思い出を持ち帰れる幸せ。イベント気分を楽しめるグッズのカタチ

最近、ただのグッズとして完結するのではなく、イベントのような体験を持ち帰れるアイテムが人気を集めています。
「このグッズを持っている人だけが見られる特別映像」や、「購入者限定のオンラインイベントに参加できるパス」がついているような仕掛け。
グッズが扉のような役割を果たし、ファンだけの特別な世界へと導いてくれるのです。
一例として、アーティストのグッズにARフィルターを組み合わせたアイテムがあります。
スマホをグッズにかざすと、推しが目の前に現れるような仕掛けになっているのです。
また、「VR体験チケット封入型グッズ」は、家にいながらライブ会場のような臨場感を楽しめるのが人気となっています。
現実とつながるような不思議な体験に、思わず胸が高鳴る人も多いのではないでしょうか。
このように、今やグッズもただのモノではなく、感動や驚きを引き出すアイテムへと進化しているのです。
デジタルとリアルを融合!NFTやメタバースを活用した新感覚グッズ展開

これまでの定番となっていた形があるグッズに加えて、スマホやパソコンの中で楽しめるデジタルグッズにも注目が集まっています。
特にNFT(デジタル所有権付きコンテンツ)やメタバース(仮想空間)といった新しい技術が、推し活の世界にも少しずつ広がり始めているのです。
たとえば、アーティストのライブ記念として発行される限定NFT。
これは自分だけの記念チケットをデジタル上で持ち続けられるもので、手元に形はなくても、そのときの感動がちゃんと記録として残るところが魅力です。
ブロックチェーン技術により、コピーされない本物の証としてコレクションを楽しむ人も増えています。
また、メタバースの世界では、推しが登場するバーチャルイベントに参加できたり、自分のアバターに推しの衣装を着せたりする体験もできるようになりました。
現実では手に入りにくいものでも、デジタルの中では自由に楽しむことができるのです。
さらに最近では、現実のグッズと連動した仕掛けも登場しています。
たとえば、限定グッズを購入すると、バーチャル空間内で使えるアイテムがついてくるといった形です。
リアルとデジタルの世界を行き来しながら、より深く推しの世界に入り込むことができます。
「こんなの欲しかった!」ヒット商品はファンの声やコミュニティから生まれる

推し活の世界では、ファンがただのお客さんで終わらないケースが増えています。
最近は、グッズそのものをファンと一緒につくる流れが広がっていて、「こんなアイテムがあったらいいな」という声が、そのまま形になることも珍しくありません。
たとえば、公式サイトやSNS上で「どんなグッズが欲しいですか?」とアンケートを取ったり、ファンからのデザイン案を募って投票で商品化したりといった事例もあります。
こうした共創型の取り組みは、推しを応援する気持ちにさらに火をつけてくれます。
自分の声が届いて、形になって、同じファンの誰かのもとにも届いていく。
そんなプロセスに関われることが、大きな喜びになっているのです。
また、最近ではクラウドファンディングを活用したグッズ企画も目立ちます。
「目標金額に達したら制作決定!」という形式は、ファンにとっては単なる購入ではなく、一緒にグッズを生み出したという特別な経験になるのかもしれません。
支援者限定の特典がついたり、制作の進捗が共有されたりと、商品が届くまでのワクワク感もまた、推し活ならではの魅力です。
ファン発信の取り組みは、共通の「好き」を持つ仲間同士の絆を深め、コミュニティをあたたかく育てる役割も果たしています。
自分のアイデアが採用されたときのうれしさ。
推しを通して、誰かと心がつながったと感じる瞬間。
そうした小さな体験の積み重ねが、推し活の思い出になっていくのかもしれません。
まとめ
推し活は、ただ「好き」を表現するだけでなく、自分らしい楽しみ方を見つけていく時間でもあります。
グッズを集めるだけではなく、ARやVR、NFTやメタバースなど、技術の進化によって、体験型のグッズやファン共創の仕組みもますます広がっています。
しかし、どんなに形が変わっても、そこにあるのは推しの対象に対する「好き」というまっすぐな気持ちです。
時代とともに推し活のカタチは変わっても、「推しを大切に思う気持ち」や「誰かとつながりたいという願い」は、いつまでも変わらないものかもしれません。
これからの推し活は、もっと自由で、もっと楽しくなっていくはずです。