
ファンマーケティングって何?~自社を推し活してもらう戦略と考え方を簡単に解説~
「ファンマーケティング」という言葉、耳にしたことはあるでしょうか。
ファンマーケティングとは自社の商品やサービスを通じて自社のファンになってもらう戦略のことです。
ファンマーケティングは、とくに難しい手法ではなく、効果の違いは多少あっても、どんな業種業態でも導入可能なマーケティング手法です。
この記事では、ファンマーケティングの基本的な考え方について、できるだけ簡単にわかりやすく説明していきます。
ファンマーケティングってどういうこと?

今の世の中は商品やサービスがあふれかえっていることもあり、よほど目新しく斬新な商品、サービスを生み出すのでもなければ、新規顧客をたくさん集めて、売上を飛躍的に伸ばすというのは本当に大変なことです。
新規顧客を集客するのにかかる費用や時間と手間は、既存顧客との関係を続けるよりもずっと難しく、特に、予算や人手が限られている中小規模の企業にとっては、大きな悩みともいえるでしょう。
ここで考えてみたいのが、最近よく耳にする「推し活」です。
推し活とは好きなアーティストやアイドル、キャラクター、アニメの主人公や登場人物などに夢中になって応援する活動のことを意味しますが、この推し活の当事者の心理を自社の顧客獲得に応用することも、ファンマーケティングの考え方に近いと言えます。
ファンマーケティングを簡単に説明するなら、まさにこの「自社の商品やサービスを推してくれる顧客を増やす戦略」と言っていいでしょう。
ファンマーケティングのわかりやすい例としては、米国のアップル社が好例です。
アップルのIPhoneの最新機種は2025年現在、Iphone16ですが、アップル社のファンはIPhoneの最新機種が発売される数日前から店頭に折りたたみイスや寝袋持参で並び、発売当日にだれよりも早く最新機種を手にしようとしますよね。
こうした事例をテレビやネットのニュースで見ると、なぜそこまでして手に入れようとするのだろうと理解に苦しむ人も多いと思いますが、彼らはまさにIPhoneやIPad、IMacなどのアップル社の製品だけでなく、アップル社自体を推し活の対象にしているのです。
アップルのファンはIPhoneの最新機種の機能性に魅力を感じて購入しているというよりも、アップル社の世界観とアップルの創業者、スティーブジョブスのファンでもあり、まさにアップル社そのものを推しの対象にしていると言っていいでしょう。
顧客をファン化するには長い時間がかかりますが、企業の永続的な成長に大きく貢献してくれることは間違いないでしょう。
ファンを増やすことで自社の成長へ

顧客のファン化、つまりファンを育てるということをもう少し深く考えてみます。
ポイントとなるのが「LTV(ライフタイムバリュー)」という考え方です。
これは、お客様が自社の初めてのお客様となってから、長くお付き合いしてくれる間に、どれだけの利益をもたらしてくれるかを意味するものです。
ライフタイムバリューの計算式は業種や商品サービスの内容によりさまざまですが、簡単に考えると「一回あたりの購入額 × 買ってくれる回数 × お付き合いしてくれる期間」です。
お客様が「ファン」になってくれると、その人は何度も自社の商品やサービスを買い続けてくれる可能性が高まります。
価格が多少高くても気にせず何度も買ってくれますし 、場合によっては友人知人や職場の同僚など、自分の周囲の人たちに、「これいいよ!」と紹介してくれたり、SNSで勝手に宣伝してくれたりするわけです。
これはまさに自社の営業マンになって、しかも無償で商品やサービスを売り込んでくれることと同じです。
ファンマーケティングって何から始めればいいの?

ファンマーケティングを早速導入してみたいと考えるなら、まずは顧客との双方向のコミュニケーションを通じて、親近感と信頼関係を構築することから始めてみることをおすすめします。
これは特に難しいことではなく、自社の公式サイトやSNS、メールマガジンなどで、お客様からの質問やコメントを集めて、一つ一つ丁寧に回答していくだけです。
公式サイトのような立派な媒体がないという場合でも、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSアカウントは無料で導入できますし、上手に運用すれば、拡散するスピードも速く効果を実感しやすいと言えます。
多少の時間と手間はかかっても、お客様一人一人との対話を通じて積み上げていく親近感と信頼関係がお客様の自社への推し活に似た心理をともなって、濃いファンになってくれるはずです。
まとめ
ファンは、たくさん買ってくれるだけでなく、いわば自社を推し活してくれる存在でもあり、リアルなばでの「コレ、いいよ」や、SNSなどを通じて新しいお客さんを連れてきてくれます。
顧客のファン化、ファンマーケティングとは、実はとても効率的で、効果の高いマーケティング手法だと言えるでしょう。
ファンとの強い絆は、自社の一時的な売上アップだけでなく、会社の未来を安定させるための大切な戦略ともなりえます。
まずは既存のお客様との関係をより深くしていくために、双方向のコミュニケーションを図ることから始めてみてはいかがでしょうか。
ファンマーケティングについては、別の機会にさらに深く掘り下げて考えてみたいと考えておりますのでお楽しみに。