リスティング広告の基礎知識
テレビCMや新聞・雑誌広告などの旧来型の媒体広告費は減少傾向にある一方で、インターネット広告費は右肩上がりの傾向が続いています。
いまや どんな業種・業態であっても、インターネットを使った集客は無視できないものとなっていると言っていいでしょう。
しかし、インターネットでの集客といっても何から始めればいいのかさっぱりわからないという方も多いでしょう。
一口にインターネット集客と言っても、利用可能な媒体は様々ですし、それぞれに特徴があります。
今回は、仕組みがシンプルでありながら、最も効果を感じやすく、比較的低予算から始められるリスティング広告の基本について解説いたします。
集客までのスピードの速さがリスティング広告の最大のメリット
リスティング広告とはGoogle、Yahooの検索画面の上部に広告を出すもので、検索ユーザーが入力した検索キーワードに連動して広告が表示されるため、検索連動型広告とも呼ばれます。
いわば、「お金を払ってアクセスを買う」ことができる広告です。
自社の商品やサービスを新規顧客に購入してもらうためには、当たり前の話ですが、商品やサービスの事を知ってもらう必要があります。
商品やサービスの認知拡大を狙ってランディングページを作っても、見てくれる人がいなければ、ランディングページがいいのか悪いのかの判断もできません。
リスティング広告を使えば、広告審査が完了次第、広告配信が始まり、すぐにアクセスが集まり始めます。
スピーディーに集客できることこそがリスティング広告を使う最大のメリットです。
効果測定も比較的簡単で次の打ち手も見つけやすい
リスティング広告のもう一つのメリットは、広告効果の測定と分析が比較的簡単であるところです。
広告効果測定と分析の例
・ユーザーはどんなキーワードを入力してアクセスしてくるのか
・どんなキーワードでアクセスしてきたユーザーが購入してくれたのか
・費用がかかる割に購入や申し込みにつながらないキーワードはどれなのか
・広告Aと広告Bを比較して反応がいいのはとちらなのか
・販売につながるアクセスは平日の夕方19:00~翌日1:00の間
こうした貴重なデータを入手することができるのです。
広告効果を具体的な数値で測定し、効果的な次の施策を打ち出すための判断材料とすることも可能となります。
Google・Yahoo検索連動型広告の料金の仕組み
リスティング広告は、ユーザーが検索する際に入力したキーワードに連動して広告が表示されますが、広告が表示されただけでは料金は発生しません。
広告がクリックされてはじめて料金が発生するクリック課金型の広告ですので、従来型の広告と違って、広告に反応したアクセスだけに料金を支払うため、効率のよい広告媒体と言えます。
広告1クリックあたりの料金は、入札によって決まりますので、競合の多いキーワードで出稿するとクリック単価は高くなる傾向にあります。
広告料金の支払いは、GoogleやYahooの広告アカウントにクレジットカード等のお支払い情報を登録して、設定した一定の金額に達すると請求される仕組みです。
基本的な広告配信設定
広告を出稿する広告主としてできることは簡単に言えば、
- どんなキーワードで検索してきた人に広告を表示させたいか
- 広告1クリックにつき料金はいくらまで出すのか
この2点です。
具体的には、広告管理画面で、自社の商品やサービスを購入する、あるいは申し込むと予想されるユーザーが検索しそうなキーワードを登録します。
実際にそのキーワードで誰かが検索すると、広告が表示されますが、広告がクリックされると広告からのリンク先である商品やサービスの販売ページにユーザーを誘導できるという流れです。
例えば、あなたが海産物の販売会社を経営されていて、かにの通販サイトを運営しているとしましょう。
「かに 通販」で検索されたときに以下のように設定して広告を配信することが可能です。
広告クリエイティブ(ユーザーに見せる広告そのもの)の一例
タイトル:北海道直送!カニ通販なら○○
説明文:今だけ!送料無料キャンペーン中。「ココに頼んで間違いなし!」「リピ決定!」など大満足の声多数。漁師もうなるこのうまさ。まずはお試しあれ。
リスティング広告なら、キーワードと広告文以外にも、下記のような様々な設定ができます。
- 広告配信のスケジュール(表示させる日時)
- スマホやタブレット、PCなど配信デバイスの選択
- 不要なキーワードの除外
- 配信地域の設定
- 1日に使用する予算額
- 1クリックあたりの単価
このような設定を組み合わせることで、無駄なクリックや効果のない配信先を除外することも可能です。
掲載順位はクリック単価だけで決まらない
リスティング広告の掲載場所は、料金のかからない自然検索部分の上部4か所と自然検索部分の下部の4か所です。
一般に上部4か所の最上部が最もクリック率が高くなる傾向にありますが、広告の掲載位置はクリック単価だけで決まるわけではありません。
広告の品質を決める「品質スコア」というものがあり、品質スコアと、広告主が設定したクリック単価の掛け合わせで掲載位置が決まります。
品質スコアが決まるロジックは非公開ではありますが、下記の指標で品質スコアが決まると考えられています。
クリック率
クリック率が高い広告はそれだけユーザーの検索意図にマッチしている広告と判断されます。
かにの通販サイトの広告であるのに、登録キーワードが「えび通販」ではクリック率は低くなるでしょう。
広告の関連性
登録キーワードを広告文に含めることで、広告の関連性は高くなります。
さきほどの広告クリエイティブの事例で言えば、「北海道直送!カニ通販なら○○」のカニ通販の部分です。
ランディングページの利便性
広告をクリックしたユーザーの検索意図とランディングページとの関連性の高さにより判断されます。
ユーザーの検索意図に応えるコンテンツを盛り込んだランディングページ制作がポイントです。
まとめ
以上、リスティング広告(検索連動型広告)の基本的な仕組みをお話ししましたが、ここでお話しした内容は基本中の基本の部分です。
実際に効果的な運用をするためには、もう少し知っておきたいことがありますが、複雑な内容になりますので、別の機会にご説明させていただきます。