SNSマーケティングの基本
SNS利用者は現在進行形で増加中
2000年代に入ってからサービスが始まったSNSですが、日本では2004年ごろから普及が始まった「mixi」(ミクシィ)が最初のSNSとされています。
それから20年以上が経過したわけですが、SNSは今ではなくてはならないものとなり、2022年現在でもその利用者は右肩上がりに増えています。
身近な例で言えば、電車に乗った時に周囲を見渡してみると、ほどんどの人がスマートフォンを眺めているでしょうし、外出先でスマートフォンを眺めている人の多くはSNSを利用しているとも言われています。
ネットの広告費はテレビ広告を上回っている
SNSの利用者増に拍車をかけたのが、2020年春先から猛威を振るった新型コロナウィルスです。
度重なる政府の緊急事態宣言により、外出自粛や飲食店の時短営業要請などもあり、自宅にいる時間が長くなったことから、それまで以上にスマートフォンやSNSの利用者が増加することになりました。
現在では人々はSNSを通じて情報収集し、消費行動を起こすことがごく当たり前になりました。
事実2019年にインターネットでの広告費は、テレビ広告費を上回わりました。
このような時代の変化を考えると、商品やサービスを提供する企業にとって、SNSを含めたインターネット広告の利用は必須と言えるでしょう。
現代のユーザーの消費行動
過去10年で情報量は500倍に
2005年ごろまでは、広告と言えばテレビやラジオCM、新聞、雑誌、折込チラシなどが主流でした。
多くの人はそれらから情報を収集することが当たり前になっていました。
しかし、インターネットの普及により、一気に情報が氾濫するようになり、その後のSNSの誕生によって、これまで情報の受け取り手であった一般消費者も情報を発信することが普通になっていきました。
一人の人が日々接する情報の量という点で言えば、2010年以降の10年間で500倍以上増えているとまで言われています。
SNSでチェックした情報をもとにアクションを起こす
ユーザーはどのようにSNSから情報を取得し、その情報をもとにどのようなアクションを起こすのか具体的に見ていきましょう。
身近な友人、家族間のコミュニケーションから情報入手する場合
「この前行った○○ってカフェ、すごくよかったよ!」
「じゃあ、今度私も行ってみる」
このように、「LINE」をはじめ、各SNSのDM(ダイレクトメッセージ)を通して、身近な友人や知人、家族とコミュニケーションを取る中で、自然と情報収集を行うパターンです。
情報発信者が身近な存在であればあるほど信頼度が高く、行動につながりやすい傾向があります。
SNS上でフォローしている発信者から情報入手する場合
「インフルエンサー」と呼ばれるSNS上で影響力のあるユーザーや、自分と同じ趣味や思考を持つユーザーの発信から情報を得るパターンです。
例えば、ラーメンが好きで全国津々浦々のラーメン店に足を運び、様々なラーメンを食べ歩いてレビューを投稿、発信している人のSNSアカウントであれば、信頼性を感じる人も多いでしょう。
「今日のお昼はラーメンを食べたい気分だな。どこがいいかな?」と思った時、その人のアカウントから発信される内容を参考にお店を選ぶというアクションを取ることもあるでしょう。
一つのテーマに特化してより深く詳細な情報を発信しているアカウントほど、濃いファンもつきやすく、影響力のあるアカウントに育っていくと言えます。
SNS上のレコメンドからの情報入手である場合
各SNSでは、ユーザーそれぞれの利用履歴などから、その人にあったおすすめが表示される仕組みになっています。
属性の合った他のユーザーアカウントや、商品やサービスの広告などから情報を取得することも少なくありません。
このように、現在の消費者は、SNS上に流れる情報を取捨選択してアクションを起こすことが年々増えています。
この傾向は今後、ますます増えることになるでしょう。
高まるインターネットユーザーの情報収集リテラシー
フェイクは簡単に見抜かれる
SNSにあふれる情報を取捨選択していくうちに、ユーザーは、無意識にその情報の正確性や自分にとって有益な情報であるのかそうでないのかを判断する力を身につけていきます。
例えば、「インフルエンサー」と呼ばれる人が「いつも愛用しています」と紹介しているコスメが、本当に愛用しているのかどうか疑問に思うといったケースです。
愛用しているって言ってるけど、もしかしたらコスメメーカーからお金をもらってPRしているだけなのではと疑い、インフルエンサーの発信といえども、本当かどうかを敏感に見極めようとします。
みなさんも、SNSの発信や広告を見ていて、じっくり見るべき広告か、スルーするべき広告なのかを瞬時に判断しているのではないでしょうか?
SNSを利用していくと、様々な情報に触れる機会が多くなり、自然と自分にとって有益な情報なのかどうかを見分けるスキル、いわゆるネットリテラシーが養われていきます。
ユーザーからの信頼を得るにはUGCを活用する
ユーザーからの信頼を獲得するポイントとなるのは、「UGC」です。
「UGC」とは「User Generated Contents」の略で、「一般ユーザーによって作られたコンテンツ」のことを指します。
企業の出す発信や広告は、リテラシーの高いユーザーに見られないことが多いと言われています。それは、企業が伝えたい内容が必ずしもゆーざーが知りたい情報ではなく、いわば売り手目線の情報でしかないからです。
せっかくSNSで発信しても、ユーザーに見られることがなければ意味がありません。
一方、自分の身近な人や親しい人がSNS上で発信している内容は信頼度が高く、しっかりとみられる傾向があります。
これを利用したのが「UGC」により発信です。
ここ数年では、企業がインフルエンサーに報酬を支払って商品やサービスを体験してもらったうえで、その魅力や告知などのPR投稿を依頼するという事例も増えています。
インフルエンサーを活用して、「UGC」を生み出す方法も有効な手段の一つですが、投稿を条件にしたフォトコンテストなどのキャンペーンや、実店舗で投稿してくれた人にプレゼントを用意するなど、自社に合った「UGC」を生み出す施策をぜひ考えてみてください。